Q. フッ素って何?
地球上で17番目に多い元素で、元素記号は「F」です。土の中や水の中に含まれています。自然の状態ではフッ素単体で存在することはまれで、私達が利用しているのはほとんどがフッ化物です。私達医療従事者は「フッ化物」という言葉をわかりやすくするため、患者さんに説明するときには「フッ素」と言います。
フッ素にはむし歯に強い歯をつくる働きがあり、世界各国でむし歯予防に利用されています。
Q. フッ素は体の中に入っても安全?
フッ素は食品中にも含まれており、私達が普段から身体に摂りいれている必須栄養素の1つです。もちろん誤った使い方をすれば、身体に害を与える場合もありますが、これは他のどんな優れた医薬品でも同様です。正しい使い方をすれば、何ら問題はありません。
アレルギーの原因となることもなく、骨折、ガン、神経系および遺伝系の疾患との関連などは無いと、H15.1.14に厚生労働省から発表されています。
Q. フッ化物の使い方は?
歯医者さんでフッ化物を歯に塗ってもらうプロユースと、自宅で自分でフッ化物入りの歯磨き粉を使うホームユースという方法があります。このホームユースにも、歯医者さんでそれぞれのお口の状態にあった方法を教えてもらってするプロケアーと、それぞれの方が自分で思う通りにするセルフケアーがあります。
お薦めは、プロユースとプロケアーのホームユースを行うことです。
Q. フッ素を多く含む食品には何があるの?
フッ素は緑茶やワカメ、エビ、イワシなどの海産物に多く含まれています。 ただしむし歯予防のためには、食品からフッ素を摂るだけでなく、歯医者さんでフッ化物を塗ってもらったり、フッ化物入りの歯磨き粉を使うほうが効果は高いのです。
Q. フッ化物を使っていれば、歯磨きはしなくてもいいの?
フッ化物は歯を強くしますが、歯磨きでばい菌をていねいに取り除くことは、むし歯予防には大切なことです。
Q. 何歳から何歳までフッ素を塗ればいい?
子供の歯がはえてきたときから一生です。
Q. フッ化物入りの製品だったらたくさん使ったほうがいい?
一度にたくさんの量を使うより、少量でも長く続けることが望ましいです。 毎日使い続けることで効果が上がります。
Q. もし大量のフッ化物を飲み込んだら?
直後であれば、大量に水を飲ませて吐かせるか、牛乳を飲ませて、病院へ連絡、輸送。少し時間が経ってしまった場合は、病院へ連絡、輸送。
日本の現状
世界の国の中では砂糖の消費量がタイに次いで2番目に少なく、1日にする歯磨きの回数は世界一、なのにむし歯の数はトップクラス。世界でフッ化物を使う割合が1番低い。
後は、フッ化物をどうして使うかが鍵ですよ。
**参考資料**
フッ化物・キシリトールクイックQ&ABOOK(株式会社オーラルケアー)
フッ化物応用が支える予防歯科の未来(日本歯科医師会)
歯科衛生士(クインテッセンス出版、25巻、5〜7号)
フッ化物応用ガイドラインについて(厚生労働省)